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借金の相続放棄をする方法

借金は、自分の問題だけではありません。時には、大切な家族や親族までも巻き込んでしまう深刻な問題です。では、家族が借金を残して亡くなった場合は、どうすれ良いのでしょうか。一般的には、借金が多い場合は相続放棄をすれば良いと言われています。しかし、個々のケースに応じて対処が必要なため、複雑な問題を要する際には法律の専門家に相談するのが1番確実です。ここでは、借金と相続についての基礎知識をご紹介します。

 

1. 相続とは?
 相続とは、人が亡くなった時に、その人(被相続人)の財産的な地位を、相続人が財産を引き継ぐことです。相続人になれる人は、被相続人の妻や夫などの配偶者、その次に子供、親、兄弟姉妹で、それぞれの身分に応じて順位がつけられています。相続内容としては、お金、土地、家などの財産が最初に思いつく人が多いのではないのでしょうか。相続においては、このようなプラス資産だけが相続されるのではなく、借金のようなマイナス資産も引き継がなければなりません。実は、被相続人が亡くなってから初めて、借金が明るみに出るケースが少なくありません。そのため、家族間できちんと話し合い、現状を把握しておくことが必要不可欠です。
相続は、一般的に引き継ぐ人の間で遺産分割を行います。遺産分割や、名義変更には期限がないので、特に何もしなければそのままの状態です。しかし、相続をした場合は税金の申告をしなければなりません。そのため、期限内に行わなければならない手続きがあることを覚えておくことが大切です。相続放棄や限定承認の期限は、被相続人が亡くなってから3か月以内です。(限定承認とは、相続財産のうちで負債や遺贈を弁済してもなお余りがあれば,それを相続するという留保を付けるということです。)所得税や消費税の準確定申告の期限は、被相続人が亡くなってから4か月以内です。複雑な手続きで心配な場合は、専門家に依頼しましょう。

 

2. 相続放棄とは?
 相続は、債務も一緒に引き継がなくてはなりません。そのため、ケースによってはプラス財産よりも借金の額のほうが大きくなる場合もあります。そうすると、相続人にすべての負担がかかるので、借金を引き継がないために、相続放棄をする方法があります。相続放棄を行うと、相続人は相続人でなくなるので、債務も放棄することができます。しかし、同時にプラス財産も引き継がないので、相続放棄を行う場合には慎重な判断が必要になります。
借金として、代表的なものが住宅ローンです。ローンを完済せずに家族が亡くなってしまうケースは、多くあります。このように高額な借金である住宅ローンの場合は、クレジット会社・消費者金融・銀行などが、遺族に借金を払わないように保険(例えば、団体信用生命保険)に加入している場合が多いです。この保険に加入していない場合は、遺族がローンを引き継ぐことになるので、注意が必要です。また、相続放棄しても、亡くなった父親の年金を母親が遺族年金として受け取れる場合もあります。

 

3. 相続放棄の仕方
 相続放棄は、家庭裁判所にて行います。亡くなった人の死亡当時の住所の管轄地の家庭裁判所に必要書類を提出します。提出期限は、相続が開始した日から3か月以内です。必要書類は、相続放棄申述所、除籍謄本、放棄を希望する人の戸籍謄本、印鑑、収入印紙です。しかし、相続放棄をすれば、ただ単純に、債務から逃げられるわけではありません。法定相続人が相続放棄をすると、相続は次の順にいる人が相続することになります。例えば、父親が亡くなり、母親が相続放棄をした場合、その子供が相続人となり、家族の誰かが相続を引き継ぐこととなります。子供がいない場合は、兄弟や、叔父・叔母などに引き継ぐこととなります。詳しいことは、家庭裁判所に問い合わせをするか、弁護士に手続きを行ってもらいましょう。相続放棄の手続きは3か月以内という限られた期間なので、効率的に行うためにも、専門家に相談したほうが安心かと思います。

 

4. 相続は自動的に開始
 民法においては、被相続人が亡くなったら自動的にすべての遺産相続が開始するとされています。プラス資産よりマイナス資産のほうが大きい場合は、相続放棄をしたほうが良いかと思われますので、相続放棄の手続きが必要です。相続は自動的に開始されますので、相続放棄をされる場合は3か月以内に、きちんと手続きを済ませましょう。しかし、相続放棄の手続きは3か月以内と決められていますが、場合によっては3か月以上経過していても、相続放棄が認められる場合もあります。相続放棄の手続きをそのままにしてしまい、大変なトラブルに巻き込まれるケースもあるのではないかと思います。このような場合は、速やかに弁護士などの専門家に相談しましょう。相続問題に関して困っている人は、ぜひ周りの専門家に頼ってもらいたいと思います。

 

相続とは、プラス財産のみを引き継ぐわけではありません。借金などのマイナス財産も引き継がなくてはなりません。しかし、相続とはプラスの財産のみを引き継ぐものだと勘違いしていた人は、意外と多いのではないのでしょうか。是非、今から相続問題に関して考えておきたいものです。また、一番の理想は、生前から、借金や相続に関する話し合いを家族でしておくことです。被相続人が亡くなったことへの哀しみの中で、借金問題が明るみに出て、家族間の話し合いになるのは、とても心苦しいものがあります。亡くなってから思いもよらない借金問題を抱えないように、今のうちからできることを始めましょう。